ニコ生ハイライト 2018.01.27

【人生相談】高校に入ってから周囲の人々が気になって羨ましくてしょうがないのです【ゲスト:ドレスコーズ志磨遼平】

今回は山田玲司のヤングサンデー『さらば個性とエゴの季節…今が歴史の転換点!?〜ドレスコーズ志磨遼平に「平凡」のすべてを語る、さよなら20世紀スペシャル!!』の人生相談コーナーよりお届けします!

 起きて今すぐ描いてほしい! でないと、その感情が消えるから!!

奥野晴信(以下 おっくん):

月光仮面さん男性16歳の方からの質問です。

「僕は現在、漫画家を目指している高2で、是非お聞きしたいことがあります。
僕は物心ついた頃から漫画を書いていて、漫画を書いている時は本当に楽しくて最高なんですが、最近 悩みがあるんです。

中学生の頃は周りなど一切気にせず、部活にも参加せず、漫画だけに打ち込んできました。
持ち込みにも行ったりしていたんですが、高校に入ってから周囲の人々が気になって羨ましくてしょうがないのです。
僕の周りのほとんどの人は運動部なので、遅くまで汗を流し、その後は遅くまで仲間たちとファミレスでだべったり、休日に遠くまで出かけたり、仲良く遊んだり、少なくとも僕には充実した良い青春を送っているように思えるのです。

彼らの本当の顔も知らないのに偏見で嫉妬したりするのも馬鹿らしいと思うのですが、決して彼らみたいになりたいというのではなく、彼らの感受性が狂おしいほど羨ましすぎるんです。

携帯ゲームで盛り上がったり、部活の遠征で応援のために遠くまで引きずり回されたり、常に仲間たちと動き回って楽しそうにしていて、その現状に不安も不満も抱かず、将来に恐怖を抱いて焦ることもなく生きていけるその感受性が羨ましいんです。

語弊がありますが、僕は彼らを尊敬していて、自分が特別だとか、えらいとか全く思ってなくて、むしろ自分のことを社会の役に立たないアスペのウジ虫のように思っています 。

ですが、僕のように夢を追って、苦しむ前の感受性を取り戻せず、周囲に嫉妬しながら前に 進むしかない悲しいアホは、この悩みとどう接して行けばいいでしょうか 。

本当に本当に長文失礼しました 。
お考えを聞かせていただければ幸いです。ごめんなさい」

……ということで。これはもうね 。
志磨遼平(以下 志磨):

抱きしめてぇ ぇ!!
久世孝臣(以下 久世):

一緒にお風呂入ってシャンプーしてあげたい !
志磨:

シャンプーハットもしてあげたい!
おっくん:

ということなんですけれども。
とりあえずまぁ漫画家目指して同じようなころから漫画に打ち込んでいたレイジさんはこういうのありましたか? 羨ましいなあとか。部活行って汗流して仲間でワイワイやってという青春をどういう思いで見てますか?
山田玲司(以下 山田):

今、彼が描ける漫画で心を打てるのは、おそらくはそんな嫉妬に悶える自分自身を描くことだよ 。
おっくん:

もうこの質問文だけでグッとくるよ!
志磨:

これはもうめちゃくちゃ素晴らしい詩やんかもう 。
山田:

そうそうそう。
これは表現行為でコンテンツだよ。
志磨:

僕が言いたいのはとりあえず焦ってください !
今すぐこれを作品にしてほしい !

ちょっと前まではこんなこと 思わんかったのに、こういうふうに思うようになってきた。
これはもう何やっていうのはただの変化なので。
たぶん、これまでにいっぱい書いた作品もあるんでしょう。それは全部置いといてください 。ちゃんと保管しておく 。

で、今すぐ漫画を描いてほしい!
起きて今すぐ描いてほしい!! でないと、その感情が消えるから。

久世:

そうなんよな、形にせななぁ。
志磨:

僕らが今抱きしめてぇとか茶化したのは、そういう時があったのを覚えてて。でも今それを作品にすることは僕にはできない。
でも去年、僕はここで四時間ぐらい喋れるようなアルバムを作ったの。それは来年の僕には絶対できない。だから今すぐ漫画を描いてほしい。それはたぶん、半月後には描けないから。
山田:

まさにその通り!
俺も 12歳とか13歳の時にブラックジャックを読んでしまって 、とても俺はこんなの描けないと思ったんだけど 。
でも当時は「その時の俺にしか描けないものは手塚治虫には描けなかったはず。その気持ちのまんま二十歳になった、 二十歳の俺しか描けないものがあるだろう 」って描いてたわけ 。嫉妬に狂いながら。

でもそのエンジンがね、すごくあって。嫉妬っていいエンジンなんで。
で、またそれに耐えられなくなって、その羨ましいなぁって思って見てた人達と関わるようになって、自分もそういう体験をするかもしれない。

そしたら、またそれは、漫画をよくするし。
そんなふうに転がっていって、そのたんびに作品やコンテンツにしていったらいいんじゃないかなと 。
志磨:

既にもう才能ありまくりですよ 。
この文章は 。
山田:

そうだね。
しっかり表現してるんで。
志磨:

こんなもん16で書けんかったよ。
山田:

すごいね。
志磨:

だから今すぐ描いて欲しいで すね。

嫉妬もどこまで行くのか見てほしい


山田:

あの、試しになんだけど 。
そういう人達に声をかけて「あんたが羨ましいよ」って一言言ったら ?
人生の扉がまたパーンと開くかも。
「マジかお前じゃあ来るか?」「はい〜」って 入っていくっていう。
その時にまた全然違うタームになってくる。
おっくん:

これはまず、この状況を漫画にするじゃない?
それで、二話目は自分ドキュメンタリーを作ればいいんじゃない ?
志磨:

あーめっちゃ面白い!
おっくん:

声をかけるとか、やってないことをやってみる。
女の子に声をかけるとかもそうだし、なんならもう部活入ってみるとか。

志磨:

潜入レポートだ !
久世:

2パターンあるんやけど。
その喜びのスイッチを開放したことによって、満足してしまって描けなくなることも、もしかしたらあるかもしれへんけど。でも俺は喜びとか快楽に対してスイッチをシャットアウトしないでほしい。「気持ち良くなりたい」もしくは「ものすごく嫉妬してしまう」っていう回路を閉ざさずにもっと増やしてほしい。

嫉妬はもっと死ぬほど醜くしていた方が、漫画を描くだったり音楽を作るんだったら絶対いいと思う。

怖がらないでほしい、喜びの恐怖を。
そして嫉妬もどこまで行くのか見てほしい。
で、この人がどこまでいったか見たい 。
おっくん:

奇しくもこの質問自体が今日言ってたことでもあるので。
普遍をこの人は嫉妬っていう形ですけど、今はね。
みんなと違うっていうことに悩み、それを羨ましく思う 。
その流れって非常に健全だよね 。
山田:

頑張って !!

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