絶望に効くお薬処方箋 漫画家 山田玲司 公式サイト

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ニコ生ハイライト 2017.05.18

『ファイトクラブ』はリスカ代行映画!?

 

「だる~」「死にて~」生きてるんだか、死んでるんだかわからない。そんな僕らの代わりに画面の中でボコボコの殴り合い!!

 

新年度になり新しい学年、新しい職場、新しい人間関係に右往左往。

あっという間にGWも終わり、気付けばなんだか疲れてヘトヘト。

「あれ? これって五月病?」そんなあなたに今回紹介するのは<永遠の厨二映画>と言われる作品。
どうしようもなく気怠るい日常を送り、生きてるんだか死んでるんだか分からない。そんな憂鬱で朦朧とした毎日から目覚めさせてくれる一服の清涼剤、ならぬ一発の強烈な劇薬映画!!
生きている実感を求めて男達が地下に集まり、秘密のサークル「ファイトクラブ」で殴り合う。これぞ覚醒コンテンツ! 漫画家山田玲司が『ファイトクラブ』を語る!!

 

 

山田:
このファイトクラブってどんな映画かっていうと、ネタバレしちゃいますけど、まず冒頭が最高なんだよね。
冒頭シーンが細胞から始まるじゃん。自分の細胞の中からぶわーってカメラが引いてくの。それで最終的にいろんな臓器からアップしてって最後口から出るわけ。そうすると拳銃を突きつけられている男の顔のところで、そしてロングショットでパッと。タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)に拳銃を突っ込まれている主人公(エドワード・ノートン)っていう図で始まる。「どうしてこうなった?」ってナレーション。
そんでそっから、どうしてこうなったかっていう語りになる。実を言うと眠れなかった。自分がなぜこうなったかっていうことなんだけど、これネタバレしちゃうけど、殺そうとしているタイラーも、殺されそうになっている自分も両方自分(※タイラー・ダーデンは主人公の別人格。劇中では主人公の一人称視点で話が進むため名前が出てこず「僕」という形で語られる)なんだよね。

奥野:
うんうんうん。

山田:
自分の中にいるもう一人の自分が現実に現れちゃうって映画なんだよね。
だから主人公の内面にいる理想の男としてタイラー・ダーデンがいるわけ。この対立軸をまず最初に見せた後で、「なんでこうなったんだ」っていう。なぜ俺は俺を殺そうとしているのかっていうところに始まるんだよ。
で、なんでかっていうと、毎日眠れない。腐った日常を毎日送ってるんだよね。生きてるのか死んでるのか分からない。

彼が寝られなくなってどうするかっていうと二つに逃げるんだよね。
面白いなって思うのが、消費でまず逃げる。
彼はIKEAボーイって呼ばれてて、家具にハマるんだよ。快適な暮らしをするために一生懸命頑張るんだよ。

IKEAだっていうのが面白いよね(笑)
それでもう一つ。彼それでも眠れない。お医者さんとか行くけど「眠れないんです」っていう。それで、本当の地獄っていうのは睾丸ガンの医療のチームにいる人たちって言われて、グループでカウンセリングを受けているサークルに行くわけだよね。

奥野:
終末医療みたいなやつですよね。

山田:
そうそう。何があるかっていうと、もう明日をも知れない人たちが集まってるわけだよ。そこに健康なのにガンのふりして参加する。そして癒されるっていう。 これすっごい面白いんだけど、自分の痛みは他者の痛みでしか癒せないってやつなんだよ。

奥野:
下には下がいるっていうことで救われる。

山田:
それの中毒になって。これ笑えますかって話ですよ。消費と他者の痛みってこれあれじゃないですか。おなじみアマゾンと2ちゃんの日々じゃないですか!目の前にいるガンの患者見て「オワタオワター」「ワロスワロスー」ってやってるわけよ、主人公が。っていう話なんだよこれ実は。

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