絶望に効くお薬処方箋 漫画家 山田玲司 公式サイト

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コラム 2017.06.09

【第23号】「最強の先輩」は誰だ?

今回放送した「仮面ライダーに人生を狂わされた男達」の特集は想像以上に面白かった。

僕だけが面白いと思ってるのかと心配だったんだけど、感想を聞くと、ライダーマニアの男の子(元男の子)に大好評だったのはもちろん、女の人にも意外と好評で安心しました。
今回僕が伝えたかったのは、「好きな事に夢中になりすぎた人っていいよね」っていう話と、「そういう人がいかに幸せに生きているか」を見せたかったのでした。

何かしら生産的でないものに夢中になっていると、親や先生や世間などから「いつまでもそんなことで大丈夫なのか?」と、何かしらの「圧力」を受けます。

同じように寝ないで努力していても、それが「名門大学に合格するための勉強」とか「欧米で認められたビジネス」とか「何だか偉そうな賞」とかもらってたりすれば褒められるのに、理解されない趣味嗜好に人生をかけていると、いかにそれに努力をしていても肩身が狭いのが現代日本です。
何かと言えば「イノベーション」と言うくせに、認められる努力はせいぜい「高級官僚」だの「大企業の社員」になることくらいです。

なので、「世間の言うこと」なんかを聞いていては何の「イノベーション」(変革)も起こせません。
好きな事をして生きられるほど世間は甘くない。という話も聞きます。

確かに世間は厳しいです。好きな事だけでは生きてはいけない人も多いでしょう。
でも、その厳しさの多くは「みんなと同じこと」をしているから起こります。

ゴールデンウィークにディズニーランドに行くから、人生は「厳しいもの」になるのです。

今回の放送に出演してくれた3人は、自分の好きなものに正直に生きてる人たちです。

もちろん「それ」だけで安定した収入を得て生きているわけではないのですが、違法なことや周囲にさんざん迷惑をかけたりして生きてるわけではないのです。
学校に行っている”ニンニン”以外の2人は、見事に自分の好きな「ライダー」を生かした仕事をして生きています。

学生のニンニンも目下「漫画家としての夢」を追いかけて、僕の所で仕事をしています。

僕はそんな彼らの楽しそうな姿を見て欲しかったのです。
特に「これから進路どうしよう?」とか悩んでいる人や、「このままこの仕事をしていていいのか?」と悩んでいる人たちに「あ、みんなと同じでなくても何とかなるものなんだ」と感じてもらいたかったからの企画でした。

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放送の中でライダーの分析をしていて、特に面白かったのは「傷の話」でした。

かつてのヒーローにはみんな「傷」があるのです。

 

ライダーやウルトラマンになる人は、過去に重症を負っている人や、1度死んでいる人がほとんどです。

これは、アメリカに改造された国民の傷(死)でもあるし、夢や理想に敗れた若者の「心の傷」の象徴だったわけです。
ここのところ僕はずっと「年上の義務」について考察してきました。

この件で言えば「傷ついても戦う」「諦めないヒーロー」は年下にとって最高の存在です。

先輩というのは、「無条件に敬え」と言うだけでは、存在価値がありません。

「傷だらけなのに、諦めない」という人こそが、本当の「先輩」なのだと思うのです。
ろくな「挑戦」もしないで「傷」つくことも「孤独」も知らない人が、たまたま先に生まれていたからという理由で無条件に「敬う」気にはなりません。

そういう事を言ってくる人に会った時は、形だけ丁寧に「敬っているフリ」をしてやり過ごすのがいいと思います。

「こんな時代に若い人が敬いたいと思える最強の先輩っているのかな?」

なんて考えていたら、いました。

でんぱ組の「最上もが」さんです。
僕はアイドルに疎くて、特に応援してたアイドルはいなかったのですけど、最上もがさんは彼女がまだプロとしての活動を始めて間もない時期に会っていました。
彼女は僕が今現在応援している唯一のアイドルです。
今や超有名人の彼女ですけど、当時はまだ「引き籠りのネトゲ廃人」時代からなんとか出てきたばかりでした。

それ以前はとても人前で歌ったりできるような精神状態ではなかった彼女です。
それでも「いつまでもこのままではいけない」と思って、強引に舞台に上がって頑張ってきた歴史を僕は見てきました。

彼女とは取材の後も定期的に話を聞いていたので、この件は芸能プロダクションが作った「キャラ」でないのは本当です。

先日、もがさん(でんぱ組)のコンサートに行ってきました。

代々木体育館の2デイズです。かつて数十人の前でライブしていた彼女は、今や数万人の前で堂々とパフォーマンスをしていました。
会場に来ていた人たちの多くが若い人でした。

その人たちにとって、もがさんは「傷ついても諦めないヒーロー」なのだと思います。

最上もがさんは、彼らにとって「最高の先輩」でしょう。
本人は考えてもいないと思うけど、彼女は「年上の義務」を果たしているのだ。

彼女は「いつもご機嫌ではいられない」と言っていたけど、まだ旅の途中です。

ほっといてもいずれ「ご機嫌な人」になるでしょう。

山田玲司

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メルマガ発行日 2015/3/9

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