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コラム 2017.09.03

【第108号】20代では何と戦い、30代には何が待っているのか?

山田玲司のヤングサンデー 第108号 2016/10/31
20代では何と戦い、30代には何が待っているのか?

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いやー・・「ヤンサン美術部」盛り上がってます。
単なるニコ生チャンネルのヤンサンのはずが、いよいよ学校みたいになってきてる。
しかも年齢も人種も何もかも関係なし、入試もノルマもなし。イジメも試験もなし。
やりたい人がやりたいように参加できる。しかも学費は月500円。
おいおいこれってもう理想の学校じゃねえか。どうしよう。いつの間にかまた1つ夢が叶ってる。
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まあ、それはともかく、今週この「ヤンサン美術部」に行ってきたよ。
するとそこに大学(美大)の入試を終えたばかりの18歳の女の子が来ててね。
彼女もヤンサンメンバーなので周りの大人達は彼女を応援しまくるわけです。彼女の話を聞きつつそれぞれが「自分なりのアドバイス」をしたり、いい感じ。
その中で30歳になったばかりの男の人が「20代は苦しいけど、30代になったら楽になるよ」と言っていた。
まだ20歳にもなってない女子高生には早すぎる気もするアドバイスだけど、実に実感のこもった言葉だ。確かに30歳になる頃僕も「20代は地獄だったぜ」なんて思っていたもんね。
とは言ってもやっぱり20代は人生の黄金期だ。
身体は新品だし無理もきく。「若気の至りは許される」という特権もある。圧倒的に可愛い女の子が得をする傾向が強いけど、「若い」ってだけで可愛がってくれる年長者は沢山いる。
ほとんどのおばさん達は「若い男の子」が大好きだ。確かにお金も情報も経験もないけど「未来」は有り余るほどある。
生き方次第で最高の日々にもなるのが「20代」だ。
じゃあなんで「地獄」だと感じたりするんだろう。
おそらくそれは「20代で戦うべきもの」が手強いからだと思う。
ちなみに10代で戦う最強の相手は「大人」でも「受験」でもなく「人の目」だろう。
「自意識」と言ってもいい。こいつとの戦いは簡単には終わらないし、その後も続くけど、1番その戦いが激しい時期が「10代」だろう。
そして「20代での戦い」はさらにやっかいなステージに突入する。
お金もないけど責任もなく、経験も知識もないのに「時間」だけは膨大にあるのが20代だ。
それまで「敵」になってくれていた「親」や「教師」や「クラスのバカども」は遠ざかり、特に何もない自分が認めてもらえない言い訳が消えていってしまう。
こうなるとあとは「観念との戦い」になるわけですね。あはは。
既成の「学校なるもの」の中にいると、無意識に「これは常識」と思い込まされてしまう事が多い。
「デブはモテない」とか「高卒だと人生終わり」とか「結婚できないと悲惨」とか、意味もなく「そういうものだ」と思い込まされていたものが「違うかもしれない」なんて思い始めるのだ。
そんなもの10代から疑ってた、という人もいるし、いい年して未だにそういうのを信じてる人もいるけど、多くの20代が「学校」なる狭い洗脳組織から開放されて「常識」を見直す事になるわけです。
それは「それまでの自分」を否定することになるので大変。
「自分は正しいのにどうしてこんなに不幸なんだ」なんて思っていると、いつまでもその「不幸な気持ち」は変わらない。
そもそも自分の「考え方」や「常識だと思っていること」は正しいのか?という「見直し」はきつい。
特に「みんなもそんなに考えてない」という学校みたいな所にいて、思考を放棄してきた人ほど「みんなの言っていたこと」が観念となっていて「自分の哲学」を作るのが大変だ。
世の中は不条理で複雑だ。自分という存在もあまりに漠然としている。そんな状況の中で「自分を認めてもらいたい気持ち」はどうしようもなく強く、性欲も人恋しさも持て余すほど強いのが20代。
そりゃあ「大変」だよね。
ちなみに30代で戦う相手は「現実」で40代は「あきらめ」との戦いが待っているんだけどね。
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楽しく「戦う」方法
今回のヤンサン美術部には歌手のお姉さんも来ていて、彼女はこう言っていた。
「聴いていて昔を思い出すような歌は好きじゃないんです」と。
これまた興味深い発言。
おそらく聴いた時の「個人的な状況」なんかを超えるくらい「普遍的なパワー」のある歌を歌いたい、みたいな事なんじゃないかと(僕は)思った。
彼女の意見は送り手(ミュージシャン)としてのものなのでそれはそれでわかる気もする。
とはいえ僕はと言えばほとんどの曲が「いつかの瞬間」を思い出させてしまう「思い出ダウンロード装置」と化している。
「曲を聴く側」としては、これでいいとも思う。
サザンオールスターズのデビュー曲「勝手にシンドバッド」を初めて聴いたのは高校の教室の休み時間だった。
クラスで1番華やかな女の子がこの曲を歌いながら踊っていたのだ。
この曲を聴くとその時の薄汚れた田舎の学校の教室と夏の風を思い出す。
この曲にはもう1つ思い出があって、それは大学2年の夏休みのことだ。大学の漫画研究部の夏合宿で千葉の旅館に泊まった夜、先輩は「今から海に行こうぜ」と近くの海岸に走り出した。
先輩はでかいラジカセを抱えて「夏はサザンだろ」とばかりにこの曲(勝手にシンドバッド)を流し始めたのだ。
ものすごくダサく見えた。
同時にそんな無邪気な先輩が愛しく思えた。そんな夏だった。
曲や漫画、映画なんかは「その頃」の思い出と共にあって「地獄の日々」もまた「色々あったけど最高の日々」だと思わせてくれる。
自意識だの観念だのと戦ってあがくのは苦しいけど、そんな日々を名曲やら名画とともに生きていくと「その瞬間」「その日々」は自分の宝物になったのがわかるんだよね。
そうは言っても大事なのはやっぱり「今この瞬間」
今週もどうか「戦いの日々」をお楽しみ下さい。
戦いはあるけどそればかりではないからね。
 山田玲司

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