山田玲司のヤングサンデーMC 奥野晴信ロングインタビュー
ある時は華麗に番組を進行するMC。またある時は、旅人にして友だちのプロ。 しかして、その実態はありや?なしや? 全てが謎に包まれたこの男と、玲司先生との関係に果たして迫れるのか? とにかく「?」だらけでスタートする、スペシャルインタビュー第1回。
奥野 晴信HARUNOBU OKUNO
山田玲司のヤングサンデー メインMC
久世孝臣takaomi kuze
山田玲司のヤングサンデー MC
出会い、そしてヤンサンへの道
志磨ちゃんが「ついに(玲司さんに会う時が)来た」と。
そうしたらそうじゃなくて、めっちゃオモロいから、たぶん俺が初めて読んだ恋愛ものやったかも知れやんし。
それでは、たとえば「中3の頃」「玲司以前」「玲司以後」みたいな感覚ある?
「人を愛するというのはこういうことなんですね。」というのを。
何も知らん童貞の俺が「なるほど!」と。
これが崇高な、人と人との関係っていうか、それを求め続けることが、かっこいいっていうか…。
17歳か18歳の時に三島由紀夫の『仮面の告白』を読んで、何のことか全く分からんかった。
だから、漫画ばっか読んでた。
だから「『アガペイズ』やばいわ」と…。
あんな漫画無いわけよ。
それを俺はね、新刊出るごとに買うわけよ。
全員に読ませるっていう(笑)
布教活動をしていたっていう(笑)
『アガペイズ』の時に高校生ってことは、あの水樹百合とかと同じ歳。
俺の思春期と、揺れ動く何かみたいなものに、結局あの人ずっと寄り添ってはいるよね。
でも、そんぐらいやで、下手したら浪人くらいの時。
もちろん志磨ちゃんにも、玲司さんのことを布教してたんや。
志磨ちゃんは中退やから、だから高校の教室におらんわけ(笑)。
「町田康のインタビュー読んだ?」とか、「今週の絶薬やばない?」とか、そういう感じ。
鶴の一声じゃないけど、晴天の霹靂みたいな感じで、ちょっと言葉強いかも知れへんけど、志磨ちゃんに玲司さんが「インタビューしていいですか?」というオファーが来て、それで盛り上がるわけやん?
『絶薬』もホンマ10年くらいやってて、そのタイミングで更に(週刊ヤングサンデーから)FLASHに連載が移行したのかな、ずっと人にインタビューするのが続いてた。
やっぱ10年して、玲司さんはどんな物語を描くのかね。
「あんたはドラマを作る人やから、だから待ってるんですけど!」っていう。
「おもしろいから今度会おうよ」みたいに言われて。
「いいんすか?」って。
それが2010年の終わり頃かな、次に連絡が来たのは3.11。
俺と志磨ちゃんと玲司さんと3人でしゃべったのは、はじめてやから。
そりゃまあそんな人おらんから、印象には残ってるっていうか。
『山田玲司』という天恵
まあ遥かに年上ではあるじゃない。
そういう人が俺らと同じラインで「え?こんな熱い人おるんや」っていう、それは感動したかな。
アラサーで出会ってるから。
そしたらめっちゃへらへらして「それ俺もあったよ、そういう時期」とかいうわけ(笑)
師匠でもないし、先生でもないし、親戚でもないし。
なんていうのかなすっごい不思議な関係よね。
それがなんで安心させるかっていうと、あの人がもうボロボロやから(笑)
で、それでもご機嫌でおるっていうところで「大丈夫大丈夫!」っていうのに説得力がある。
やっぱりそこはすごいよね。
それはでかかった?
学ぼうと思って学んでたやん?
で、世界一周して帰ってきて〜みたいな時期やったから。
「あー、なるほどこのタイミングで玲司さんに会ったんや」 っていうのは、後になってから思えばやっぱり何かの…
それは『社交的なセザンヌ』
演劇をやめたってところから、玲司さんに出会い始めてるっていうのは、おもしろいと思う。
玲司さんは一人で一応作ってるけど、一人で作ってない感じしない?
それもそうやし、UMA 水族館もそうやんか。
あれも美術部で「組み合わせて〜」みたいに遊んでて、
途中から「おもしろい!」って感じでやってたような気もするし。
ほんまにそこは荘子じゃないけど、「梁塵秘抄」みたいなもんかな。
遊び自体がクリエイティブ。
あるからだからこそ、そこにノイズみたいに入ってくる「マーケティングがどうの」っていうのは、あの人にとっては非常にノイズなんやろうなとは思う。
「美術館でやりたいんだよね」とかっていう、それはマーケティングではないんだよね。
服にまったくこだわらへんやん。
『????』=「百薬の長」=『ロックンロール』
それぐらいベーコンがお好き。
「百薬の長」
思い出に残るベーコンの話をしてください。
俺、フライパンでベーコンを焼いてるわけ、焼いてんねんけど、奴らは自分から出てくる油で「焼いてる」と思ってたら、揚げ始めるんですよ!
こんなロックンロールな食材あります!?
なんでそんな血まみれになってんの!?
みたいなさ。
あんな薄切りでも、ねー。どえらい量でるやん。
奥野さんにクエスチョン
「コーヒー飲むのが好き」とか、「朝、海に行って日の出を見るのが好き」とか。
毎日でなくてもいいよ、週2〜3とか、週に1回これしてるなぁとか。
ヤンサン終ります、終電近くに家に帰ります、その日の「相棒」を観ると、
その時はもう…至福よ。
日々どういうところに、「楽しい」って思ってるの?
「自分が自分でなくなるほど、楽しい瞬間」ってある?
面白さを感じるかってこと?
いっぱいあるっちゃ変やけど、むしろ自分が自分である時間がどこにあんのかわからへん、それはマジで。
羽生くんよかったね、金メダルおめでとうっていうのと、いいこともわるいこともどっかで殺人事件起きましたとかもそうやし、それを受け止めて何かを感じてっていうのは、俺はそう思うと思ってないから、勝手にそう思ってるから俺じゃないわけよ厳密にいうと。
だから、結局言語論ていうか言語学を突き詰めていくと、日本語でしゃべっている限り、日本語っていう体系を自分の中にインストールしてるわけ。
なんで高ぶってるのかわからへんもん。
分かる?勝手になってんねん。だって心臓勝手に動いてるやん。それと一緒。
ヤンサンは、これからどうなる?どうしたい?
幅広い人が見てくれてて、でもちゃんと物事を考えたり、言葉って言うのを大事にしてくれるって言うのを前提として、クリエイターの人らが安心して「こんなこと考えてるんですよ」とか、「こんな作品だしたんです」とか、 共有できる、シェアできる、プラットフォームみたいなものになっていけばええなあっておもってるかなぁやっぱし。
山田玲司のキツイ話。
ネタバレほぼ完全にしといて…
「いや全然大事なところは話してないから」 っていうやつ。
だから、クライマックスまで2時間の映画なら、1時間45分くらいはノレやんわけやんか。
ネタバレが勘弁してくださいと。
一週間前とかから「ネタバレしますよ」っていうなら、こちらも覚悟があるけど、突然さらっと「あれオチ言いました?」みたいなんあるやん。
じゃあ本日はこのへんで、ありがとうございました。
最後に、山田玲司への質問
おっくんから山田玲司へ『普段聞けないけど聞きたかった質問』を預かったので、本人に聞いてみました。
奥野 晴信
山田玲司のヤングサンデー メインMC
1981年 和歌山県生まれ 日本画愛好家
ニコ生チャンネル「山田玲司のヤングサンデー」MC兼ジェネラルマネージャー。
山田玲司作品を始め、東村アキコ「雪花の虎」など漫画作品への創作協力や、ラジオ、ネット番組などの構成にも携わる、顔も足もあるゴーストライター。
ヤンサン初回放送から山田玲司の相棒としてすっかりお馴染みだが、放送開始から3年半を経て未だに何者なのかわからないという意見も多い。
しかし放送では時に制御不能な一面を垣間見せ、視聴者曰く「ヤンサンのハルヒ」「失礼を画に描いた男」「ヤンサンの岡倉天心」などと呼ばれ、番組への怨嗟を一手に引き受けるごきげんヒールとして活躍中。
久世孝臣
山田玲司のヤングサンデー MC
演出家・詩人
創作集団ナズ・ラヴィ・エ主催。
http://kuzetakaomi.weebly.com/
主に舞台作品の演出・脚本、詩作を手がける。
場所や参加する人間の表現ジャンルを問わない境界線を超えた共同制作を得意とし、それぞれの良さを活かしつつ確固たる一つの世界を構築することに定評がある。 表現における言葉の可能性、言葉における意味の領域の拡張、自身が掲げる「身体性を持った言葉」を用いてイマジネーションの可能性を追求する。
Written by
播磨 貴文
いつも頑張っています。
市川 剛史
どすこい喫茶ジュテーム
ishino
Bros.Chu
小食、無言、人見知り
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寝落ち 見落とし 記憶喪失
渡部智己
原 彩子
歌に生き、愛に生き