絶望に効くお薬処方箋 漫画家 山田玲司 公式サイト

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コラム 2017.06.13

【第27号】誰かの「おはよう」がないと朝は来ない

・友達って必要ですか?

今回の放送は「新生活応援企画」といいつつ内容は「友達論」でした。
そして我らが「友達のプロ」おっくんによる「友達の作り方」の話で何だか異様な熱量になって、番組も再び最長記録を更新してしまいました。
僕としては「何だか忙しい人たちに3時間近くも付きあわせてしまって申し訳ない」・・なんて反省してたのですが、「こういう回もあってもいい」という人もいて、ちょっと安心しました。今回は「友達」という個人的な体験を伴う問題で、「友達」の定義も曖昧だったので、その辺ももう少し詰めていくべきだった、とか思ってます。
さすがに「友達のプロ」のおっくんは「初級編」と言いつつ、かなり高度なテクニックを話してましたが、僕の方は「新生活」が始まる人が孤立して苦しまないためにできることについて考えてきました。

友達は欲しいに決まっているのです。
必要に決まってます。

かつては当たり前に、誰にでもいたのが「友達」でした。
それが「1人も友達がいない」とか「友達って必要なの?」とか言う人達が沢山います。
友達が欲しいけど、どうしたらいいかわからない人の力になりたかったのです。
そして考えるほどに「この問題の根は深く深刻な社会問題だ」と気がつきました。

そんなわけで3時間の(半ば迷走)の回になってしまったのだと思います。申し訳ないです。

・楽しんでいる人は他者を楽しませている人

そして、前回「リア充たちの青春の影で学校に行けなくなった人がいる」という話をしてた矢先に、「リア充界のプロ中のプロ」氣志團の綾小路翔さんと会った、という話もしました。

一言で言うと「本当のお祭り人間は自分のために生きてない」という話です。
氣志團の翔さんは「みんなに楽しんでもらうために自分が犠牲にできる人」だな、と感じた夜でした。
これは東村アキコさんも同じで、「楽しんでいる人は、他者を楽しませている人」という事です。
そのパワーが、ある一定の量を越えると、世間はその人を放っておかないのです。
その話は「自分を助けてくれ」と言っている人が「誰かを助けてる人」よりも孤独になってしまうことに繋がっています。

とは言っても「自分のことなんかいいから」なんて気持ちにはなかなかなれないものです。
ましてや孤独の中で傷ついてきた人なら、余計に「自分の痛み」でいっぱいいっぱいで「誰かのために何かをしてあげる」のは難しいと思います。
特にイジメや虐待などを受けてきた人には、ほとんどの場合「相手の気持ちになること」すら困難だと思います。
なので、この問題は簡単ではないのです。

では、世間で活躍してる人がみんな「心の痛みを抱えていないのか?」といえば、そうではないのです。
翔さんもアキコさんもおっくんも(志磨遼平も)それぞれが「自分の問題(痛み)」を自分で解決して、他者のために「自分はいいから」と言える人になっていった人たちなのです。
・「自分の問題」を越える言葉

番組の中でおっくんが海外へ1人旅に行った頃の話がありました。
彼がイスタンブールのホテルに長期滞在していた時、毎朝「おはよう」と声をかけてくれたトルコ人がいたらしく、おっくんはその一言に救われてきたと言うのです。
「誰かの”おはよう”がなければ、朝は来ない」と言うのです。

これは名言ですね。
人は「おはよう」の一言だけで誰かを救うことができるのです。
そして、その「おはよう」は自分の痛み(自分の問題)を越えて相手に届きます。 「昨日は何してた?」と続ければ会話の始まりです。

僕はそこからもう「友達関係」は始まっているのだと思うのです。
スマホや文庫本を見つめることで相手を「いないもの」にして自分を守るのに飽きたら、「おはよう」と言ってみて欲しいのです。
「おはよう」からの会話で、扉は開く。朝が来る。

そう考えると「友達」ってのはそんなに難しい問題ではないですね。

・カールおじさんと空飛ぶ家

最近ピクサーの『カールおじさんと空飛ぶ家』を観直しました。
最愛の妻を亡くしたおじいさんが冒険する話です。

このおじいさんは「妻との暮らし」以外の世界と繋がらずに生きてきた人なので、妻がいなくなると世界が何もなくなってしまうのです。
社会現象になった『ニモ』なんかと比べると、もう1つウケなかった映画ですが、この映画は傑作です。 妻との思い出の家から立退けと言われ、彼は大量の風船を使って家ごと飛んで行きます。
「完全に閉じた世界(引きこもり)の人が、閉じたまま冒険に出る」という非常に現代的な話なのです。

閉じこもった家のドアをある少年が叩きます。
彼は孤独だけど「物事を明るく見ることができる」太ったアジア系の子供です。
そして、おじいさんは初めて妻以外の人と「つながり」を持つことになるのです。

様々な問題を抱えたまま家は浮き上がります。

この映画の原題を調べたら、なんと『UP』です。
「飛び立とう」ですね。
そしてこの場合の「UP」って、日本語だと「翔」ですね(笑)

まあ問題はあるけど、そのまま飛びましょう。
「おはよう」って言いましょう。

山田玲司

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メルマガ発行日 2015/4/6

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