絶望に効くお薬処方箋 漫画家 山田玲司 公式サイト

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コラム 2017.06.30

【第43号】昨日は前世、明日は来世

その昔「おたく」という存在は、「気持ち悪い」ものとして差別されていました。
性格も見た目も最低で、漫画やアニメに逃げるしかない、という「哀れな生き物」とされていたわけです。
そんな時代(80年代)の空気がまだまだ濃厚な90年代初頭に現れたのが、我らが千葉麗子でした。
今は、可愛い女の子が、アニメ好きでパソコン好き、なんてもう「当たり前」ですけど、この時代にアイドルがオタク趣味を自称するのは革命的出来事でした。
彼女は常に自分の信念でやりたいことをやる「革命児」です。
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今回の前半は、そんな「チバレイ」の、圧倒的に華やかなキャラが炸裂、そして後半では彼女の真面目で繊細な人間性が出た3時間でした。
彼女も僕もとにかくせっかちで、行動しないと気がすまないくせに、自意識が強く、傷つきやすい、面倒くさい人間です。
おまけに「正義感」も「美意識」も強いからやっかいです。
「人にどう思われていようがカンケーねー」と言い放ったすぐ後に「自分って最低かも」と猛烈に落ち込むのです。
僕達の人生はそんな「自分は自分が信じる事をやる」という衝動と、「失敗という地獄」との、格闘の歴史です。
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「恥」と「失敗」をどう封じ込めるか?
自意識やら美意識の強い事はいい事でもあります。
高い理想は人生を充実させるからです。はじめから「俺なんかこんなもん」とか言って生きていると、楽ではあるけど、面白くはありません。つまらない人生を生きる事になるのです。
一方「自意識高い系」は失敗して恥をかくのが大嫌いです。
それが怖くて、何も出来ない人も多いです。
では、どうすれば平然とやりたいことに挑戦することができるのか?
その1つが、今回後半で僕が言っていた昨日は前世という生き方です。
それは「恥」と「失敗」の恐怖から身を守るために、僕が先代から頂いた1つの「武器」です。
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「恥と失敗」の効果効能
かつての日本人は「恥をかいたら死ぬ」という生き方をしていたのですが、そんな「侍美学」に付き合っていたら、せっかくの人生がもったいありません。
僕が絶望に効くクスリで会った人の多くが「なるべく恥をかきなさい」と言っていた。
挑戦をすればほとんどの場合が「失敗」になります。
でもその「挑戦」をしないと人生はクソっつまらないものに成り下がっていくのです。
人間の細胞は日々入れ替わっていくし、数年もすれば肉体は完全に「別人」になります。
そして記憶もまた自分からも他人からも消えていくものです。
昨日の自分は別の人なのです。
正確にはそうではないにしても「明日は新しい自分」という考えは「挑戦」を後押ししてくれます。
もちろん「なかなか忘れられない失敗」や「なかなか許してもらえない失敗」もあります。
そんな時こそ、自分の意思で「昨日は前世」と決めて、片付けてしまう事が重要なのです。
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もう1つ言っておくと、人はそんなに強くないので、心には「片付けられない過去」というのがつきものです。
でもそんな「なかなか忘れられない失敗」も、一概に否定はできないもので、「忘れられない失敗ほど、繰り返さない」とも言えるのです。
ヨーガにある「死体のポーズ」

僕のやっているヨーガのコースは26のポーズを90分かけて行うものです。
恐ろしくハードに感じますが、そこは上手く出来ていて、前半が立ちポーズ、後半が寝た体勢のポーズをとる構成になっているのです。
面白い事に、その後半のポーズとポーズの間には「シャヴァ・アーサナ」という「死体のポーズ」が入るのです。
つまり、ポーズをとる度に「死ぬ」のです。
昔、養老孟司先生に「人は毎晩死んでいるじゃないか」と言われました。
「睡眠」というのは「この世との別れ」で「目覚め」は「誕生」というわけです。
高野山の大阿闍梨、酒井雄哉さんは「1日が1生」と言っていました。
最強の武器
僕の口癖は「どうせ死んじゃうんだから」です。
「1日の終わりに今日の僕は死ぬ、だからやりたいことは恥をかいてもやっておこう」
これが「恥と失敗の恐怖を倒す」先代から頂いた最強の武器なのです。

山田玲司

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企画編集:山田玲司
矢村秋歩
発  行:株式会社タチワニ
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メルマガ発行日 2015/7/27

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