ニコ生ハイライト 2017.07.22

ローリング・ストーンズは仮面ライダーだった!? 志磨遼平と語る洋楽入門

ビートルズってどんなバンド?

ローリング・ストーンズ? 聴いたことない。

そんな方のために山田玲司と志磨遼平が語る洋楽入門。

 


志磨:

まず最初に僕が今日話しをしようとしてるのは、洋楽史みたいなものを話そうと思ってるんですけど。洋楽ってもはや死語なんじゃないか。っていうのは最近の人は洋・邦を区別して聴いてないんじゃなかろうかっていう。洋楽いっぱい聴いてる人が偉いとかカッコイイっていう時代も随分前に終わっているような気も。洋楽を聴いてたら何で偉かったんだろう、あんな言葉の意味の分からないものをっていう。

奥野:
洋楽に詳しいだけで何か偉いみたいなさ、でもJ-POPとか全然聴かんみたいなのが大きい顔するじゃない。あの現象が僕は昔から納得いかなかった部分はありますよね。

山田:
俺今回遼平に聞きたかったのは、音楽ってさ身近に詳しい人が居ないともう独学しかないじゃん。君は高校一年の時から学校に来ないというさ、もう独学王な訳じゃん。

志磨:
そうですね。学校行ってる時間勿体無いなと思って!ロックの事ばっかり考えたいと思って。

山田:
だから信用出来るっていうかね。自分で勉強してきて。

志磨:
とにかく肝心なとこは一個で、自分の分からないものを分かりたい!っていう。

山田:
いや、俺そうだと思うのね。何か自分の村の中でアラ探ししてるだけじゃどうにもジャンプが出来ねえよなって話だよね。

志磨:
そういう勉強欲がある人っていうのもみんな同じ村の人で、そう、だから。

山田:
なるほど!勤勉村!

志磨:
勤勉村!結局、仮面ライダーに行き着いちゃいますけど。何の話ししても。やっぱり、変身願望なんですよ。

山田:
変身願望っすか!(笑)

志磨:
だから洋楽がカッコイイっていうのは、言葉もわからない、ルックスは違う、骨格が違う、全てが違う文化圏のもので、それに少しでもいいから近づきたいっていう変身願望というのがそもそもの洋楽信仰の一番大事なとこで。だから分かりたくなんかないんですよ言葉は。そんな普段話していることになんか興味はない!っていうね。何か自分にも分からない言語で、すごい崇高な事が歌われているんじゃなかろうか。っていう風に多分、僕らは洋楽を聴いたし。

山田:
何だか分かんないけど凄えやつが居て、俺もそうなりてえみたいな。(ローリング・ストーンズの写真 21:20)こういうビジュアル一発で何やら凄えぞっていう、仮面ライダーですか!?

志磨:
そうですね。こうなりたいっていう。

山田:
この人達も仮面被ってんだもんね。変身してここに居る訳だもんね。

志磨:
じゃあこの人達は何になりたかったっていうと、黒人になりたかったんですよ。黒人のように低い声で、しゃがれた声で。不気味な音楽っていう風に昔は聴こえたと思うんですよ。同じフレーズを何回も繰り返す。同じリズムでずっとやってると凄い不気味な、呪術的というか。

山田:
要するにトランスでしょ?

志磨:
そうそうトランスっていう。そういう物を自分たちの物にしたいっていう変身願望がある。この人達はローリング・ストーンズさんですが、こういう人達もそうやって自分ではない何かに変身したかった。

志磨:
この人がかの有名なミック・ジャガーさん。

 

 

山田:
やっぱ有名なのはキース・リチャーズさんですね。

志磨:
このミックとキースっていうのがまあイチャイチャするんですよ。ロックの人ってやりがちですね。

山田:
はいはいヒロトとマーシーですね。

志磨:
そうですね。ギターとボーカルイチャイチャしがち。ロックあるある。その元を作ったのはこの人達ですね。

山田:
じゃあ面白いからこことの比較でいきます?

 

 

知的なビートルズ派と不良のストーンズ派

 

 

志磨:
その当時はライバルとして、ビートルズ派?ストーンズ派?みたいなね。ビートルズを聴いているのはお利口さんという風に当時言われていた。60年代ですね。

山田:
知的って言われてたよね。

志磨:
そうですね。トックリを着たり、髪の毛も当時からしたら長いですけど。この人達はわざと清潔感を取り入れてた。演奏した後にジャーンってみんなで綺麗に同じタイミングでお辞儀をするんですけど、そういう礼儀作法から凄くちゃんとしていたんです。そうやることによってショービジネスとして高いレベルのことをやっていたんですね。それが居るならじゃあこのアンチっていうね。ロックの歴史は全部これです。なんかが出てきたらそれの反対勢力が。

山田:
そうね。カウンターが現れる訳ね。

志磨:
じゃあビートルズよりさらに長い髪の毛で、汚い格好で、ビートルズが良い子なら俺達は凄え不良として売り出そうぜ。それがローリング・ストーンズさん。わざと立ちションして新聞に撮らせたり、「あなたの娘さんローリング・ストーンズの嫁にさせる気ですか」っていうポスターを出したり。そういうシンボルにわざとなろうとしてね。まあビートルズとストーンズっていうのが。

山田:
ここはまず抑えておかないと絶対いけないやつでしょこの話にはね。

志磨:
不思議なものでじゃあどっちが長生きしたかっていうと、音楽の教科書に載るようなグループ、ビートルズがデビューからたった8年で消えてしまう。で、ローリング・ストーンズは今だにやっておりますね。だからストーンズの方がロックの典型というかテンプレになったんですよね。ボーカルとギターイチャイチャしがちとか、ボーカルが手ぶらで歌うとかね。例えばドクロモチーフ、これはもうキース・リチャーズですよ。

山田:
あーそうなんだ。有名なのはあの下を出してるマークが有名だけど。

志磨:
そうですね。たとえばロック=ワルとかね。ロック=酒・女・ドラッグ・ドクロ。バンダナとかね。今ロックがダサいと思われる物の原因は全てローリング・ストーンズにあるとも言えるんですけど。

山田:
俺はビートルズにはポールという育ちの良いおぼっちゃまが一人居たのが不良になんなかったというか、元々不良じゃなかったのが無理して不良の仲間に入っちゃったのがあって。ハリスンが居るおかげでなんとか保ってたところはあったけど、パシリだよねいわゆるね。

志磨:
最初はパシリでしたね。

山田:
パシリとして入ってんだけど、段々こいつやるじゃんってなって凄いやつになっちゃうんだよね。

奥野:
リンゴはリンゴ。

山田:
役者になるよ。それから農場とかやりだして。でも実はリンゴの前のドラムは超イケメンだったんだよ。で、一番人気があったんだよ。でもあいつ顔良いけど音だめだぞって言って切るっていう。そういう意味ではビートルズっていうのはスーパープロデューサーが付いてたんだよね。彼の力で作品としての質が別格になっていく。アートになってくんだよね。

志磨:
最初は不良の集まりみたいなんですが、その先生っていうのがジョージ・マーティン。凄く音楽の知識もある、そして英国紳士で育ちが良くて、その人が教師としてビートルズに教えるんです。曲の書き方からハーモニーの付け方、それをね多分2,3年で追い越しちゃうんですよ彼ら。で、先生置いてけぼりでどんどん実験を始めちゃう。何なのか分からないものをどんどん作り出す。

山田:
あの、ギターのサウンドをテープで逆回転させるみたいなことを始めるじゃない?でもこれ知ってんのかな今の人って?

志磨:
逆回転って何っていう。例えばですけど、「あいうえお」って言うと「おえういあ」ってなる。昔はカセットテープだったですからね。これを単純にひっくり返すとそういう風に再生されたんですよ。

山田:
っていう荒業みたいなことをこの時のテクノロジーで出来る限界のところでやってるって凄い面白いよね。

志磨:
この人達が考えたものは本当にキリがないですけど、そういう実験をスタジオに篭って繰り返して。

山田:
あれ好きなんだよね俺。A Day In The Lifeの、一番低い音から一番高い音まで色んな楽器が少しずつガーって上って、パって切るっていう。何なんだろうねあれ。A Day In The Lifeはさ全く知らない人に聴いて貰いたいよね。

志磨:
そうですね。これね音楽流せると一番良いんですけどね。

山田:
ラジオでやりたいやつっすね。

 


出典:第36回元日沖縄スペシャル!『ビートルズは実家のカレー!?~志磨遼平と語る初めての洋楽入門!』

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