コラム 2017.07.28

【第72号】何が「新しいもの」を生み出す力になるのか?

山田玲司のヤングサンデー 第72号 2016/2/22
何が「新しいもの」を生み出す力になるのか?

 
「どうしたらチャンネル会員をもっと増やせるんですか?」
のぶみ君と西野さんのニコ生に呼んでもらった時に、こんな事を聞かれました。
どうやら我らがヤンサンの絶好調ぶりは、この2人のメジャー組にも伝わっていたみたいで嬉しかったんだけど、何しろこっちは1年半以上やっていて、しかも毎週放送ですからね。
同じ会員料で倍のボリュームの上に、2時間半超えが通常営業です。比べるのもおかしい話なんだけど、聞かれたので答えました。
僕は自分がお金を払ってでも観たいと思える番組が本当に観たいので、基本的に「そういう番組」を作ろうとしているだけです。
で、どんな番組が観たいか?というと、テレビではやってない種類の話です。
面白ければ、それが自分が会った人とのバカ話でも、ドライアイスの袋が爆発しそうだった話でも、スコーピオンマウスの話でもいいんですよね。
もう1つは、観て良かった、と思えるような「知らなかった話」や「知らなかったモノの見方」なんかです。
今はまだまだなんだけど、当初から企んでいるのが、「何かが生まれる瞬間」を番組でやりたいってのもあります。
ゲストに出てくれた漫画家仲間達と一緒に「新作漫画」を番組中に作るのもやりたいし、ミュージシャンの友達と一緒に楽曲を作るのもやりたい。
のぶみ君の番組では、そこまでの話はしなかったんだけど、そもそも「のぶみ西野の番組」は「会議を見せる番組」という名前ではないか。
まさに彼らは「何かが生まれる瞬間」を放送しようとしていたわけです。
2度目の事故

先週の放送は大好評だった「山田玲司の漫画の描き方」Cバージンでした。
お恥ずかしい話ですけど、直前まで自分自身がネームに入っていて、久々の「あれ、今俺何してんだっけ状態」に入ってしまい、単純な解説でフリーズしてしまいました。
それでも、おっくんとシミちゃんの見事な連携で、何とか持ち直したわけで、限定放送からは何とかなりました。
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キャラ作りの技術で伝えるべき2つの事
今回はキャラの作り方をメインに話そうと思っていたんだけど、その前に伝えなければならない事がいくつかありました。
1つは「自分の主張に片寄ると作品が浅くなる」ということです。
「自分はこう思う」というのは大切なんだけど、違う考えの人の存在が重要で「考えが違う人」がいるからドラマが生まれ、テーマがいきいきと立ち上がってくるのです。
もう1つは「葛藤」の話です。
「友人の恋人を好きになる」みたいな時に起こる、自分の内面で起こる葛藤です。
つまりよく出来た物語は、外と中(内面)の2つ世界で、対立が起こるということです。
まずはそれを理解してもらってからキャラクターを作る話にしようと思ったわけですが、情けない事にこんなに簡単なことが伝えられなくて、ジタバタしてたわけです。
そして後半では、みかんに顔を描いて、おっくんと即興でキャラを作ってみました。
松山市役所に務める、2人のみかんヒーロー「かんちゃん」と「マサキ」です。
ノープランで始めたのに、この瞬間まさに「新しい何か」誕生したのです。
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それをやりながら思っていたのは、まるで遊んでいるみたいだな、と言うことでした。
特にみかんに顔を描いて「こいつの夢は何だろう?」なんて考えているのは、遊びそのものです。
昔、あるお坊さんが「遊ぶ」とは「神と一体になる行為」だと、言っていたと聞きましたけど、まさにこれは、遊びであり、神の行為でもあったわけです。
僕はずっとこういう創作をしてきたので、慣れてはいるのですが、カメラの前でやっていると、改めて「面白いことをやってきたんだなあ」と思いました。
前半は「ちゃんと伝えなくては」と思って、真面目になりすぎていたんだけど、後半は笑いながら「遊んで」いたので、逆に上手くいったわけで、なんだか皮肉な話です。
何かを作るという事は「遊ぶ」って事で、最初に伝えるべき事はそれだったね。
何が「新しいもの」を生み出す力になるのか?
それは「遊び心」
売れるだの売れないだの、編集者がどうのこうのと、それはそれで大変なんだけど、まずは「遊ぶこと」
「遊び」から始まるから、漫画は自由で面白いんですよね。
今回誕生した「カンちゃんとマサキ」の物語は、一部のファミリーの人に好評で、さっそく2人の物語を考えてくれた人もいました。
ちなみにこれが、ヤンサンファミリー「せがた四四郎」(通信空手二段)君の作ってくれた、物語です。


「松山市役所戦隊!ミカンジャー」
第一話「腐ったみかん」
序:かんくん起床の様子(だらしない部屋、汚い服、アダルトビデオ、コンビニ弁当の容器、風俗雑誌)
「仕事だりぃな…」部屋から出て行く。扉が閉まる。
扉ページ(見開きで)
市役所背景。マサキのあいさつ。
「今日から一緒に働くことになりました」松山の戦隊を作るという熱意を話す。
それをぼんやり聞いているカン。
カン(戦隊かあ…)
破:歓迎会。カンとマサキ接触。
「俺も戦隊物好きだったんだよな」
戦隊物について少し盛り上がる二人。
ライダーについて熱く話すマサキ。
カン「ライダーが好きなのになんで戦隊なの?」
マサキ「ライダーも戦隊もヒーローです!僕はヒーローが好きなんです!」
ひとしきり盛り上がった後で、
マサキ「是非先輩と一緒に戦隊を作りたいです!一緒にヒーローになりましょう!」
カン「いや…俺そういうのいいわ。だってなんかそういうの子供っぽいし」
むっとするマサキ。
マサキ(子供っぽい?子供っぽくて何が悪いんだ!俺はずっとヒーローになりたかったんだ!)
急:翌日の仕事終わりに川原の土手でヒーローごっこをする子供たち。
カンがワンカップを呑みながらそれを見ているのをマサキが見つける。
子供1「俺がヒーローやるんだからお前怪人やれよ」
子供2「やだよ、俺だってヒーローがいいんだから」
カンが立ち上がって子供に「わーしゃっしゃミカン怪人だ!腐った汁をかけてやるぞ~!ミカン汁ブシャアアアアアア」
子供たちと遊んでいるのを見るマサキ。
遊び終わって子供たちと別れた後カンに声をかける。
マサキ「戦隊物は子供っぽいんじゃなかったんですか?」
カン「しょうがねえだろ。ほっといたら喧嘩になっちゃうだろ」
カン「…やっぱ子供はみんなヒーローになりてぇよな」(呟く感じで)
マサキのアップで感心した顔。(セリで言っちゃだめ)
カン「よし、じゃあ風俗でも行くかな…」
カン「あ、お前も行く?」
マサキ「いや…僕はそういうのは…」
カン「そっか、じゃあまた明日な」
カンを見送るマサキ。
マサキ(…先輩風俗とか行くんだ)呆れた顔、もしくは空にフキダシのみ。
第一話完

あはは。
つづくんだって。
そんなわけで、今週は「自由の極み」の老荘思想を肴に遊ぼうと思ってますんで、よろしくね。
では、今週も人生を遊んで下さいね。
 山田玲司

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企画編集:山田玲司
矢村秋歩
発  行:株式会社タチワニ
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