コラム 2017.06.04

【第18号】「ガス抜き」は「年上」を使え!

どっちにしても人生ってのはご機嫌なことばかりじゃない。
「ご機嫌」でいれば周囲の人間を無闇に不快にさせたりはしないし、笑っていれば「最悪の心理状態」にはならずに済むので、ろくでもない人生もなんとかやり過ごせる。
とはいえ、人は自分の人生を誰かと比べて「マイナス評価」をしてしまう生き物だ。
「相手と比べるなんてバカげてる」とか「比較しない」とか言われても、そんなの簡単にはできない。
「隣の芝生が青く見える」のが人間なのだと思う。
僕も「あいつのほうが売れてる」なんていう下らない思いに未だに苦しむ。
心の底から「比較は意味がない」とか「自分は自分」とか思っているのに、誰かが爆発的に売れていたり、評価されたりすると「自分はこんなにさえないのに」と思ってしまう。
そもそも、あのブッダですら80歳になっても迷っていたというのだから仕方のないことだとは思う。
しかし、問題は、そんな「人生がままならい時」「笑えないくらいストレスがたまっている時」にも人に会わなければならない時があるということだ。
【自分を不幸にするガス抜き法】
イライラしている人が学校や会社に入ってくる。その瞬間、他の連中は「関わらないようにしよう」と一斉に心の距離を取る

「イライラ」をぶつけられるからだ。

イライラしている人間が年上だったら最悪だ。
自分は悪くないのに、年下は何かと「サンドバック」にされる。理不尽極まりないが、これが儒教(年上は絶対主義)で作られた日本人社会だから逃げようがない
この国では「イライラしている年上」に年下は「ガス抜きの相手」にされる。
そういう年上は「俺もされた」だの「鍛えてやってる」だの、さらにバカなのは「お前のためにもなる」とまで思っている。
そして、そんな彼らは例外なく年下から「バカなやつ」と思われている
逆らえない立場の人間を「ガス抜き」の相手するのは最悪の選択だ
イライラの解消に使われた相手は、その先「心」を開かない。場合によっては「敵」として成長していくだろう。
「全然気にしてませんよ」と言っていたとしても、それを言わされるパワーバランスの中であれば問題回避のための演技かもしれない。
自分も年上相手にそれをしているのに、年下に同じことをさせてしまうのは愚かな話だ

【聞いて欲しい年上】

 

では、「イライラ」はどう解消すればいいのか?
これに関しては多くの方法があるが「聞いてもらう」「共感してもらう」のが1番効果がある
ところが、同世代は同じように自分の問題でいっぱいいっぱいになっている。下手をすれば上から目線で「説教」などしてくるだろう。
これではイライラが消えるどころか増えかねない。
けれども、もちろん年下にそれをぶつけるなど愚の骨頂だ
ガス抜きの相手に選ぶのは「自分より器の大きな人間」がベストだろう。
皮肉なことに、そういう「聞いてくれる相手」は自分よりも経験の豊富な「年上」であることがほとんどだ。
飲み屋の「ママさん」などはそれが仕事とも言えるが、「ママさん」はお金をもらう関係だし「完成度の高い器の大きな人間」はそれほど多くはいない。
とはいえ、多くの「年上」は「できれば後輩たちの力になりたい」と思っている

【年上への「寛容モード」】

大事なのはその「聞き方」だ

もしも相手が自分の話を遮って「説教」や「自慢話」を始めるようなら、その人での「ガス抜き」は諦めて撤退するべきだろう
とは言っても、年上は「役に立ちたい」と思っているので、自慢や説教も言い尽くせば「で、君はどうなの?」と聞いてくることもある。
ここでどうするかは「その時の心の余裕度」で決めたらいいだろう。
イライラしすぎて誰も許せない時に「面倒な年上」と話なんかしなくていい。
だけど、もし「相手を許す」エネルギーがあるなら、心を「寛容モード」にして年上に相談してみよう
的外れのアドバイスも多いだろう。でもこれに反論してはいけない年上の人間に「変わってもらおう」と期待するのは不毛だからだ。
「1つの参考意見」として聞いていればいいだけなのだ。
そんな心構えで年上に相談するといい。
「完成度の高い対応」を期待しなければ、彼らは心強い味方になってくれる可能性もある。
今まで僕は色んな人に取材をしてきたが、その中で普段から「ご機嫌」な人ほど、多くの「話を聞いてくれる人」に支えられていることがわかった。
そういう僕も、何人かの「頼れる年上の人たち」に支えられている。
(どうしても年下に聞いてもらいたくなった時は「ごめん、聞いてくれる?」と謙虚値をMAXにして「説教」などは絶対にしない)
・何に悩んでいるか、何がイライラさせるかを伝える
・相手の意見には反論しない
・同じような経験をしたことがあるかを聞いてみる
などの単純な方法で年上を頼ることができれば、「敵だった年上」も「最高の味方」になることがあるのだ。
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「人生のピンチに効く映画特集」

山田玲司

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メルマガ発行日 2015/2/4

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