コラム 2017.07.19

【第63号】「友達や恋人が出来る効果抜群の方法」とは?

山田玲司のヤングサンデー 第63号 2015/12/14
「友達や恋人が出来る効果抜群の方法」とは?

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前回の放送は「良い質問選手権」とか言いつつ、ゲストの大活躍もあって「最高のバカ話回」になりました。
「質問の良し悪しを決めよう」というコンセプトだったのですが、「質問」をもらうと、やっぱりちゃんと答えたくなるし、その中には「本気の人生相談」も入っていたので、コンセプトからはかなりの逸脱してしまいました。
でも今回は緩さが売りの「中2ナイトニッポン」だし、盛り上がればいいかな、とは思っていたのですが・・・
その中にいつまでも気になる「質問」がありまして・・・
これなんですが・・
◯絶望の淵 男性 38
“スクールカースト下層からそのまま今にいたる童貞の現在無職です。
職は転々としてこれといったスキルもなく、もう何もする気がおきなくなりました。
何かしらの精神疾患かもしれませんが、まだどうにかしたいとは思ってます
 自分の中で唯一変化できる手段で考えてるのは彼女をつくることかと思ってます、そのために働ける動きだせるのではないかと・・
 いかんせん童貞です、自分に自身なんか全くありませんし、出会える場所も
きっかけも勇気も人を好きになるというのがどういったものなのかも分からないのが現状です。
 まずは一歩の踏み出し方歩き方をご提案していただけると助かります。
これを見ると奮起できる本や漫画・映画などありましたら教えてほしいです。
よろしくお願いします。「最期の戦いです」”
どうでしょう?僕にはかなり本気のメールに感じます。
放送の時はいつものように「まずは、いいヤツになれ!」とか「ドーテーが悪いなんて誰が決めたんだ!オビ=ワンはドーテーだ!お前はジェダイだ!」とか「若い頃に女と付き合ったことがあった事にしちゃえ!」とか、僕は言っていましたね。
でも、番組が終わってからもずっと「あの答えで良かったのだろうか?」なんてずっと考えてしまっていたのです。
とにかくこれ、本人にとっては「大変な問題」です。
確かに「ドーテーや無職は、人として価値がない」というのは「他者が決めた価値観」で、やたらと苦しむべきじゃないというのもあるんです・・・・それを言ってもすぐに友達や恋人はできません。
放送で僕らがいくら色々応援しても、翌日に彼には「いつもの毎日」が待っているわけです。
想像すると、いたたまれません。
おまけに、僕の意見は「どう頑張ればいいのか?」という事について曖昧なままでした。

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友達と恋人を作る方法
そんなわけで、放送の翌日、僕はその「絶望の淵」さんと「彼と同じ様な問題で悩んでいる人」に向けてツイートしようと思いました。
シンプルな「友達と恋人を作る方法」を伝えようと思ったわけです。
社会批判や個人的な思いなんかは切り捨てて、すぐにできる「最も効果のある方法」を考えてみました。
これがその時に出来た文章です。
友達とか恋人が欲しい人は、半年間これをやってみて欲しい。
「相手が気分を悪くすることを絶対に言わない」
「話を最後まで聞いて、否定しない」
「いつもニコニコしてる」
簡単だけど難しい。
自己顕示欲と謎の敗北感をねじ伏せる戦いになるから。
でも効果抜群ですよ。
そう。これなら本当に効果は抜群です。
こういう人がいたらどう思いますか?
絶対に気分の悪くなるような事は言わない人で、最後まで話を聞いてくれて、否定しないで「いつもニコニコしている」人です。
中には「ホンネを隠してて気味が悪い」とか言う人もいるかもしれませんけど、それは誤解です。単に人の意見を「否定しない」だけで自分の意見はあるのです。
そうなると、大半の人がこの人の友達になるのはイヤじゃないはずです。
とはいえ相手を受け入れるばかりでは不満も溜まりそうです。
誰だって自分と全く違う考えの人に会ったら「それは違う」と言いたくもなります。
本当は「こいつ間違ってる」と思っているのに「ニコニコ」なんかしていたら、バカにされそうだと思うかもしれません。
なのでこれは「自己顕示欲と謎の敗北感をねじ伏せる戦い」になるわけです。
半年限定とはいえ、なぜこれを僕が勧めるかと言うと、これは「とりあえず相手の言う事を受け入れる」という態度で生きるとどうなるか?がわかる「体験実習」なのです。
人間は誰かに受け入れてもらいたい(話を聞いてもらいたい)と思っている生き物なので、
受け入れてくれる人は自動的に「大事にされてしまう」ものなのです。
逆に言うと「私は(簡単には)人を受け入れない」と思っている人は、(簡単には)人に受け入れてもらえないのです。
つまり、「友達も恋人もいない人」は「人を受け入れる気がない人」もしくは「人のことより自分の事が大事すぎる人」なのです。
人間関係が希薄になってしまう人の多くは、プライドや自己顕示欲などが問題なのです。

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「プライド」はどう扱えばいいのか?
「自分に誇りを持つこと」や、「私は最高だと思う事」は良い事なんだけど、そういう人がトラブルを抱えるのは、自分を偉く見せたいがために、他人を否定したりするからです。
特に「自分が1番正しい」と言う主張が強すぎて、いつも「あんたはバカだ」と言ってしまう人は深刻です。
そういうタイプは自分の意見と違う人の意見を聞くと、すぐに戦って相手をねじ伏せようとします。
そういう「議論の殴り合い」が好きで、そうでもしないと「分かり合えない人」もいるのですが、世の中はそんな人ばかりではないし、正しいとか間違ってるとかばかりが人生ではないのです。
「人の意見を否定しないで聞く」事は「負け」ではありません。
「言い分」を聞いたからと言って、自分の意見を変えなければいけない、という事はないからです。
なので、その「自分」を一度抑えて、相手を受け入れてみたらどうなるか?というのを体感して欲しいのです。
「半年」と、期間を限定してあるのもそのためです。何も一生自分(プライド)を抑えて生きなくてもいいんです。
「半年間それをするとどうなるか?」というと、面白いほど周りから「敵」が消えて、友人が増えていきます。
そして実の所、本当の自分を殺して我慢の日々が続く、ということは少ないのです。
自分の話を受け入れてもらえた人の多くは「君はどうなの?」と聞いてきてくれるからです。
僕の実感では、どんな人でも「自分を否定せずに受け入れてくれた人」には、「優しくなる」ものです。優しい人には自分の事も話しやすくなるでしょう。
ついでに言っておくと、そんな「否定しない優しい人」は異性もほっておきません。恋人に求める1番の条件は「自分を受け入れてくれる人」だからです。
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反響と炎上の匂い
このツイートは想像以上に反響がありました。
多くの人が「頑張ります」みたいな反応でしたが、中には「八方美人」とは「ナメられる」とか言う人もいらっしゃいました。
ほとんどが前出の「否定しないで聞く事は、自分を殺して相手を全面肯定すること」だと勘違いしているケースでした。
その中でも「ぺっ」と1文字、僕の言葉に唾を吐いていたリプは印象的でした。
「何かいい事」風な事を言っている人を見ると、反射的に唾を吐きたくなるわけですね。
僕もそうなる事があるので気持ちはわかります。
その人にプライドと心の傷があるのは想像できます。でも唾を吐かれたらほとんどの人は「いなくなる」のです。
「本当はわかって欲しい」という思いがあっても、それで終わりなのです。
だからこそ、努力すべきは「ここ」なのです。
唾を吐きたくなった時こそ「ニコニコ」と相手の話を聞くんです。
そしてその相手が「本当に唾を吐くべき相手」であったら、その時に(自分の意思で)静かに離れればいいのです。
話は聞くけど、思想は曲げない。
「曲げるだけの何か」を教えてもらった時は、曲げる事もある。
これが「プライド」だよ。
許せば、許される。
愛せば、愛される。
では、今年もあと少し、寒いけど頑張ってね!!!

山田玲司

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企画編集:山田玲司
矢村秋歩
発  行:株式会社タチワニ
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