コラム 2018.08.10

【第175号】世界一エロい生き物とは?

山田玲司のヤングサンデー 第175号 2018/2/26

世界一エロい生き物とは?

 

 

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おことわり:このコラムは、ニコニコチャンネル「山田玲司のヤングサンデー」で配信されているメルマガを全文転載してお送りしています。転載期日が2018年4月下旬以降の号は、テキストのみを抜粋・転載しております。

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先週は盟友マクガイヤーと一緒に「エロい生物対決」というトークイベントだった。

 

マクガイヤーは僕の友人の中でも貴重な「生物オタク」だ。

 

その昔「生物オタクが主人公の漫画」を描いていた時は「実は私も・・」みたいに告白してくる「隠れキリシタン」みたいな生物オタク友達がけっこういた。

 

さかなクンと出会ってからは、そのレベルも跳ね上がって「もはや研究者」という人にも出会ったし、一緒に飲んだりもした。

 

その中には爬虫類博士のスター(故)千石先生や荒俣先生や京都水族館の館長もいる。

生き物好きの人はみんな優しくて面白い。

 

自分のランキングやら収入なんかより「このトカゲかっこいいよね」とか「このダンゴウオは貴重ですねえ・・」なんて嬉しそうに話してるのだ。

 

「ああ・・僕のいるべき場所はここかもしれない」なんて、彼らに会う度に思うけど、僕は「漫画の世界」に入ってしまうとすぐに連絡をおろそかにしてしまう。

そして気がつくと数年経ってしまっていたりするのだ。

 

そんなわけでニコ生繋がりで「ドクターマクガイヤー」という「最高の生物オタク」と定期的に会えるのはありがたい。

 

イベントの楽屋には彼の友人の昆虫博士が沢山の標本を持ってきてくれた。

「山田先生、ぜひこのリアルシカーダをお納め下さい」と言って、世界で一番大きい蝉と言われている「テイオウゼミ」と「世界で一番小さい蝉」の標本をくれた。

 

リアルシカーダ・・超かっこいい・・

 

そんな多幸感の中イベントが始まった。

 

イベントは「どっちがエロい生き物を紹介できるか?」という、これまた最高の企画だ。

 

自分が知っている「エロい生き物」の他に「なんとなく見聞きした記憶のあるエロい生き物」の情報を確認していくうちに「こんなのいたの?」みたいな変な生き物の情報が次々と見つかる。

 

「性器そのまま」の生き物も多いけれど、それだけじゃ面白くない。

マクガイヤーだって、ベタな「アワビ」なんか絶対に入れてこないだろう。

 

なので僕は前半に「見た目が強烈にエロい生き物」を幾つか並べて、後半に行くに従って「生き様がエロい生き物」を揃えていくことにした。

 

そんなこんなで最後の生き物をどうするか悩んだ。

ここは正直に、自分が常日頃感じている「エロい生き物」を紹介することに決めた。

 

それは「ユリ」だ。

 

そもそも「花」は「性の現場そのもの」なのだから、それを臆面もなく一番目立つように晒している時点で中々とんでもない「猥褻物」にも思える存在だ。

 

その昔は「植物」にはオスとメスがあるのが普通、という時代があった。

(シダ植物の「胞子からの前葉体へ」というそれはそれでエロいやつも昔からいる)

銀杏みたいに「どこかにいる彼女に向けて花粉を飛ばす」という植物ではなく「1つの花の中にオスもメスもいる」という「SEXの場」を植物は生み出したのだ。

 

これは生き物の中によく見られる「雌雄同体」の1つだと思う。

花が擬人化される場合、基本的に「花の部分」は「顔」として描かれるけど、本当は花の中に全裸の男が数人、全裸の女が1人いるのが花なのだ。

 

女(雌しべ)は誰かの精子(花粉)が欲しいけど、それは隣にいる男(雄しべ)ではない。

男(雄しべ)もまた自分の精子(花粉)を女に届けたいけど、それは隣にいる女(雌しべ)ではない。

 

なんとも変な話だけど、種を残すためには「多様なDNA」が必要で、同じような環境で生まれた同じような相手ではその種は滅んでしまうので「隣の相手」ではダメなのだ。

 

そんなこんなで、女(雌しべ)は側に男(雄しべ)が沢山いるのに、そんなヤツの花粉は相手はいらない。

なるべく遠くから飛んでくる男の種(花粉)を捕まえようと懸命に背を伸ばしている。

 

「うちのクラスの男子にはろくなのいないよね」とか「こんな田舎にはつまんない男しかいない」とか「日本の男はダメよね」とか言っていた女の子たちを思い出す。

 

つまり「花」は全裸の男と全裸の女が「誰かを待ってる」ステージで、その誰かは主に花粉を運んでくれる虫たちだ。

 

そのために花は蜜や香り色彩などで虫を誘い「まだ見ぬ誰か」と繋いでくれる虫たちを誘うのだ。

 

なんだかその全てが色っぽいし、面白いし、生き物が持つ「どうしようもない業」みたいなものを感じる。

 

ユリは「聖女マリア」の花だ。

そんな花が少しでも遠くの花粉を求めて雌しべを伸ばし、雄しべは精一杯反り返って花粉を遠くに届けようとしているのだ。

 

「見えない相手を待つ私」

「自分の持っていないものを持っている相手」

「決めるのは他者という運命」

「いつかは必ず枯れてしまう運命」

「そしてまた咲く日が来る」

 

それにしても、生き物には「まるで人生」が溢れすぎてる。

 

今回のイベントの最後の方に僕は1つの映画を紹介した。

思えばこの「映画」っていうのも、なかなかの「花粉」だ。

 

ご存知「DNA」は肉体のDNAだけではなく、文化的なDNAも含まれる。

かつて遼平と話していた「ミーム」の話だ。

 

なので、SNSでまだ見ぬ人から面白い情報をもらったりするのは、ちょっと「遠くの誰かに花粉をもらった感じ」に似ている。

 

そんな時代の「花粉のやりとり」もいいけど、どうしてもそれだけじゃ寂しくもなる。

沢山の「生き物情報」が溢れるネットもいいけど、やっぱり本物の「生物オタク」と直接話したい。

 

そんなこんなで、気がつくといつもはネットのむこうにいる人たちが目の前にいる。

本物の生物オタクと話している。

 

そうか・・僕は動けない植物じゃない。

その気になったら直接会えるのだ。

 

エロい生き物の事を考えていたら、思考の旅はそんなところまで飛んでいたのです。

 

山田玲司

 

 

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企画編集:山田玲司
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